
UFOに仕事まで投げ出す紳士たち
元医師でスティーブン グリアという人はUFOにはまり、医師という仕事を投げ出し、UFOを撮影したり、それをメディアに流したり、あげく当局がUFO情報を隠ぺいしているとして情報公開を請求する団体CSETIとかいうものを立ち上げました。アメリカには他にもたくさんの『UFO研究家』がおり、やはり自分の仕事はそっちのけでUFOにうつつを抜かしています。
私はカリフォルニアに住む外科医A氏に会ったことがあります。『宇宙人によって体内に埋め込まれた物体の研究』をやっているというのでした。彼はある女性のおなかに埋め込まれた物質の現物というものを私に見せてくれました。依頼されて自分が手術で取り出した、というのでした。
しかも彼はその物質を州立大学の病院の病理検査部の先生に依頼してその金属様物質が『地球上のモノではない』と報告を受けた、というのでした。すでに各種メディアで発表し、有名な話でした。これは納得ゆくものではありません。癌細胞の組織検査とか皮膚細胞の変異などを中心の病理検査をする専門家が、こともあろうに金属様物質の物理的、化学的特性を調べることなど。
そこで私はこの病理検査の先生にお会いしました。この先生はミュンヒェン大学を出た人でした。私も当時ミュンヒェン大学物理学科の客員教授でしたからにわかに親密になりました。この先生曰く、『私の検査結果は人体の外部から入ったものであることは確かであるが、それは何か、また何故人体に入り込んだのかは分からない』というものでした。 この自分の報告書を捻じ曲げてA医師はメディア向けに『病理検査の結果この世のもではないことが分かった』と発表してしまって自分はいささか困っている、というものでした。
このような情報の捻じ曲げ、壊変、解釈の作為などはUFO家の得意とするところです。 グリア氏の情報公開請求でも、仮に何らかの情報が出たとしても彼等はそれらを捻じ曲げ、拡大解釈をして世をあざむくことでしょう。そもそも世界の政府、情報、諜報機関にUFOの情報などないのです。一部、ある、と伝えられているのは空中に発生した飛行物体、発行物体などの『未確認飛行物体』の情報です。日本の自衛隊、気象庁にはこの種の情報があるかもしれません。とくに気象庁は最近危険な『ダウンバースト』の現象の情報収集をやっていますからその中に発光物体(火の玉)の情報もあるかもしれません。
したがってUFO団体が情報公開請求をやりたいのならやればいいのです。単なるダウンバーストや火の玉の情報が公開されるでしょう。
間違ってもUFO宇宙人が地球人の人体実験をやり、得体のしれない金属様物質が埋め込まれたなどいう情報はないのです。まして『すでに宇宙人がわれわれ地球人の社会にすでに住み着いている』などという情報は絶対にありえません。ないどころかその兆候すらないのです。
SETI計画では宇宙からの電波信号を捉えよう懸命な努力がなされています。もちろん宇宙電波のノイズに混じって何か規則性のある電波信号は受信されてはいますがそれが宇宙人の発した電波信号だという結論は得られていないのです。もし仮に宇宙人の乗り物が地球に接近してこればこの宇宙人の交信する電波が捉えられるはずですがこれも皆無です。
ましてすでに宇宙人がこの地球に住み着いているという情報はウソ八百です。それならその宇宙人は住民票、戸籍などどうして手に入れたのか。それは偽造だというのでしょうか?偽造なら住み着いている宇宙人は戸籍を偽造した犯罪者ということになります(笑)。
それに宇宙人がこの地球に住み着くための予防注射はどうなっているのでしょうか?予防注射なしには、彼等は地球に着陸と同時にさまざまな細菌、ウィルス、その他の微生物に感染してほとんど死亡するでしょう。さらに宇宙人に接触した地球人も次々と死亡するでしょう。
あらかじめ地球側が予防接種しておかなければなりませんがその情報はどのように送られてきたのでしょうか。 このようにわれわれは言語と認定できる宇宙人からの電波信号を傍受しないかぎり宇宙人の飛来を信じることはできません。情報公開請求などナンセンスです。UFO狂信者は言うでしょう。宇宙人ともあろう者が古臭い電波など使うものか、と。 それなら電波でなくて何ですか?え?ニュートリノですか?ニュートリノ、ミューオンの可能性は考えられなくもないですが、高額な装置で、電波信号を使うのがもっとも現実的です。それなら、とUFO狂信家は言うでしょう。『それこそテレパシーだよ』と。
一体テレパシーとは何ですか。だれも答えられないモノなのです。つまり定義も仕様書も現物もない『架空のもの』です。テレパシーの実体も測定の仕方も分からない架空の存在です。このような架空の存在をデタラメな存在といいます。 デタラメなモノをつかってその存在を主張してもそれは所詮デタラメなモノなのです。つまりUFO宇宙人の地球接近と着陸はデタラメなモノということになります。