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老人はなぜ信じやすいのか?

老人はなぜ信じやすいのか?

上記の表題の記事(Why Older Adults Are Too Trusting)がScientific Americanの最新号にでた。その要点を簡単にまとめて解説する。


人は歳を取るほど信じやすくなるが、それは詐欺に遭いやすくなるなど危険な兆候である。最近の研究では信頼と危険性を管理する脳の領域、島皮質が衰えているからだと言う。


カリフォルニア大学の研究では55歳以上の119人の大人と、24人の若い大人を使って実験した。信頼できる顔、中立の顔、信頼できない顔を見せる。老人は若者に比べて、信頼できない顔の人物を信頼できると答える傾向が強かった。そのときにMRIにかけて脳の活動を調べると、大脳皮質の中の小さな部分、島皮質の活動が低かった。信頼できない顔を見た場合の方が島皮質の活動は盛んなのだが、若者は信頼できる顔の場合にも活動が高かった。


島皮質は信頼を見極めるのに重要な領域である。この領域は人と出会った場合に、信頼できるか出来ないか見定める役割を果たすが、年とともにその能力は劣化する。


感想

おれおれ詐欺とか、振り込め詐欺、母さん助けて詐欺とか、色々言われている類いの詐欺に老人が出会いやすいのは、脳の活動能力の低下によるものなのだろう。疑似科学を信じるのも、脳のこの領域の活動力と関係しているのかもしれない。


島皮質の活動に関する解説はここを参照のこと。

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